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2023.01.11 クリエイター紹介

作り手さん研究所 ~SOUKIさんを訪ねて~【奈良・靴下】

「どうやって作られているのだろう?」という疑問から、興味津々なテントテンスタッフが、作り手さんを研究しに行くシリーズ!
今回は、「かぐや姫のふるさと」でもある奈良県北葛城郡広陵町に訪れました。

のどかな田畑が広がる場所を歩いていくと、靴下のファクトリーがいくつか並ぶ一角が出現!

今回訪れたSOUKIさんの工場もそちらの並びに位置します。
社長の出張(でばり)さん自らが、靴下について熱く語ってくださり、時間を忘れるほどに聞き入ってしまいました。




奈良が靴下の産地になるまで

奈良県北葛城郡の南東部に位置する町「広陵町」は、もともとは綿花の産地。
江戸時代には大和絣(やまとかすり)と呼ばれる織物が生産されていました。
明治期に入り、着物から洋服へと西洋化されると絣(かすり)の需要が段々と減ってしまったのです。
このままでは、ダメだと感じた大地主さんが、産業の勉強のためアメリカに!

そこで、持ち帰ってきたのが手回しの小さな編み機でした。
綿を使って、小さな編み機で編めるもの…、それが靴下だったのです。
そこから、綿花の農家さんが、お家の納屋で副業として編むようになりました。

高度経済成長期で日本の産業が急成長し、広陵町近辺のくつ下工場も200社まで増えました。
しかし、安価な労働力がある中国製へと、どんどん生産地がシフトしていってしまい、現在では40社ほどに減ってしまいました。

国産靴下のシェア1位は広陵町です。
それでも、日本のくつ下全体の0.6%ほどしか、流通していないのだと、社長の出張(でばり)さんは語っていました。
そんな厳しい状況で、日本製くつ下の未来のために 「品質がいいのはあたりまえ、日々の生活のなかで本当に良いと感じてもらえるくつ下を追求したい」 という想いに行きついたのだそうです。




SOUKI(創喜)さんの成り立ち

SOUKIさんの始まりは、出張 (でばり) さんの曾祖父が、家の納屋で始めた副業のくつ下編みでした。

苦境に立たされた状況で、引き継いだのは出張(でばり)さんのお父さま。
中国製が台頭してくる中、靴下以外のものづくりへと転換し、 サポーターや腹巻、フットカバーなど、たくさんのアイデア商品を企画・製造されていたそうです。
しかし、それも作るたびに、中国製へとシフトしていくという状況に陥りました。
「同じような状況に合っている産地は多いでしょう」と語る出張(でばり)さん。

出張(でばり)さんは当初、他の業界でバイヤーをされていました。
何か起業してチャレンジしたいと思っていた時に声がかかり、工場を引き継ぐことに。
その際、OEMで受けたローゲージソックスの履き心地のよさを実感し、原点に回帰したいと思ったのだそうです。

「品質がいいのはあたりまえ、日々の生活の中で本当に良いと感じてもらえるくつ下を追求したい」そんな想いから生まれたのが、自社ブランドSOUKI SOCKSでした。
SOUKIという名前の由来は「創喜」。喜んでもらえるものを創りたいという想いが込められた社名がブランド名に採用されたのです。




くつ下ができるまで

くつ下は「編み立て」⇒「抜き・返し」⇒「先縫い」⇒「傷見」⇒「仕上げ(セット)」⇒「検査・ペアリング」⇒「包装」⇒「検品」という工程で仕上げられていきます。

SOUKIさんでは先に染められた糸を使っています。
綿の状態で染めたものを使うと、後で染めるよりも、柔らかく肌触りが良いのだそうです。

いよいよ「編み立て」。
古い機械を大事にメンテナンスしながら使われています。
ちょうどテントテンでもお取り扱いしている「RE LOOPのジャズ」シリーズが編まれていました。
アイテムによりますが、こちらのメンズサイズで一日50足ほどしか生産できません。
また、ゆっくりと編まれることによって、さらにふんわりと風合いが増します。

編み物には、ローゲージとハイゲージと呼ばれる、網目の細かさの基準があります。
SOUKI SOCKSシリーズはローゲージという、 目の粗い編み目 、さらに太い糸で編み上げられています。
ふっくらとした分厚さは、このローゲージのおかげというわけですね。

古い機械で編まれたくつ下は繋がった状態で仕上がってきます。
なので、次の工程では1枚ずつに分けるカット作業「抜き」が行われ、さらにつま先を縫うために裏返す「返し」が行われます。
「返し」作業では、職人さんが早業すぎて、マジックの様でした。

編みあがった後は、筒の状態で、まだつま先部分は穴が開いたままです。
今度はその部分を縫う「先縫い」という作業が行われていきます。

出来上がったら、靴下型の板にはめて、傷がないかチェックする「傷見」がされます。
そして、蒸気でプレスする「仕上げ(セット)」で、ようやく完成します。
興味深かったのは、一個一個が少しずつ違うということ。
サイズ感や見た目の雰囲気が近いものを合わせて、「ペアリング」という作業がおこなれて、やっと1足になるのです。

お忙しい中、 一連の作業を職人のみなさんが、優しくご説明や実演してくださいました。
この方たちのおかげで、履き心地の良いSOUKIさんのくつ下が皆様の足元まで届いているというわけです!




お取り扱い商品

SOUKI SOCKS

SOUKIさんが代々受け継いできた稀少なローゲージの編機と技術で作り上げた、素材の良さを最大限に感じることができるくつ下。
カジュアルソックスのイメージがつよいローゲージのくつ下では、なかなか使われることのなかった高品質の天然素材をたっぷりと贅沢につかい、 丁寧にゆっくりと編みあげています。
ローゲージならではのふっくらと贅沢なはき心地が足を包み込んでくれます。

【SOUKI SOCKS】Puffy-パフィ-

綿糸を紡績する過程で短い繊維をとりのぞき、艶と強度が増すコーミングを施したコーマ糸を使用したコットンリブソックス。
コーマ糸をたっぷりと使い、稀少なローゲージのリブ機でゆっくりと編みあげられています。
ゆっくりと編まれた編み地は空気を含み、ふっくらとしたほどよい弾力が魅力的なソックスです。


ソックス|SOUKI SOCKS Puffy 【日本製】





【SOUKI SOCKS】Woody-ウッディー-

ぷっくりと大粒のコットンスラブ糸とコーマ糸をふんわりとミックスさせながら編んだ有機的なテクスチャーが魅力のコットンスラブソックス。
伸縮性がありよく伸びる生地ははいた際の見た目のごつさや硬さがないように程よい厚みで編まれています。
つま先とかかとのパッチワークのような切替もチャームポイント!


ソックス|SOUKI SOCKS Woody 【日本製】





【SOUKI SOCKS】Horn-ホーン-

ふっかふかのボリューム感が見た目にも暖かいこのソックスは、羊が寒さから身を守るために持ったウールの機能が最大限に詰まっています。
ふっくらと暖かな防縮ウールをふんだんに使い、ローゲージの編み機をゆっくりと回転させて丁寧に編みあげられています。
ウォッシャブルウールという、洗っても縮みにくい、特殊な加工を施したウールを使用しているので、日常的にお洗濯しても縮みにくいのも良いところ!
洗うたびにふっくらとした風合いを取り戻します。


ソックス|SOUKI SOCKS Horn 【日本製】





RE LOOP

自分たちが毎日はきたい、そう思えるようなくつ下づくりをしたい。そんな想いでRe Loopは生まれました。
自然と繋がる。人と繋がる。心と繋がる。
授かった自然と智慧に敬意を。
奈良県の広陵町にはくつ下に関する受け継がれた技術と、経験、知識がたくさんあります。しかし昨今、それらの技術は海外からの 安いくつ下の台頭などによって衰退の一途をたどっています。

それらの技術を後世へ持続可能な形で引き継ぐことがRe Loopの 使命でもあります。
毎日はくものだから、人と自然に優しい素材を選んでふっくらと編んだくつ下は素朴な風合いとシッカリとしたはき心地。
ちょっと特別な、カジュアルなくつ下です。

【RE LOOP】SLUB MIX リブクルー

リサイクルコットン/スラブミックスの靴下は、所々ポコポコとなった太さが不規則なスラブ糸(通称:雲糸)という糸と、日本国内の紡績工場で糸を紡ぐ際に出た、落ちわたを利用して作るリサイクルコットンの糸と、さらに綿糸の中でも柔らかく風合いの良い綿コーマ糸の3種類の綿糸を掛け合わせて編みたてられています。
その掛け合わせた糸を、国内では希少となったローゲージ(目の粗い編み目)のダブルシリンダー機で、どっしりと編みあげた雰囲気のあるソックスです。
ローゲージならではのふっくらとした編み地には品質の良い綿糸が惜しみなく使われており、重厚感のあるはき心地は他のソックスとはひとあじ違います。
ナチュラルな風合いとデコボコの編地はサンダルとの相性も良く、ローゲージの編み地は通気性がよく、適度に厚みが汗をよく吸うので夏場でもさらりとした履き心地です。


ソックス|Re Loop(リループ) スラブミックス リブクルー 【日本製】
※新色のカフェラテ・カフェモカは1月中旬~下旬の販売START予定。





未利用のまま廃棄される繊維原料などを集めて綿にほぐしなおしたものを原料をとして使用し、再び糸にする優れたリサイクル糸をふっくらと編まれています。
空気を多く含んだ軽くて暖かなリサイクル糸とスラブ糸、ネップ糸をバランスよく引き揃えることで、表情のゆたかなふっくらとしたソックスです!

愛知県三河地方で明治大正時代から続けられてきた技術をルーツとする、特殊紡績(特紡)と言う紡績方法で作られた糸が使用されています!
特紡糸は未利用のまま廃棄される繊維原料や、紡績、織布工場で発生する糸屑、布地などを集めて反毛(綿にほぐしなおす事)した原料を使用して、再び糸に紡ぐ極めて優れたリサイクル糸です。
空気を多く含んでくれますので、「ナチュラルな膨らみ」と「嵩高性(かさだかせい)」に優れた軽くて暖かな素材です。


クルーソックス|リブ ジャズミックス【日本製】





【RE LOOP】RECYCLE COTTON SPECKDYEリブハイクルー

日本の紡績工場で発生するヴァージンコットンの落ちわたの線維が長いものだけを甘撚りに紡績した良質なリサイクルコットン。 1カセ ずつ手で染められたそのコットンを稀少なローゲージの機械でざっくりと編みあげました。ローゲージならではのしっかりと丈夫な生地感と風合いが感じられるソックスです。

RECYCLE COTTON SPECKDYE seriesは日本の紡績工場で発生した、ヴァージンコットンの落ちわた(未利用繊維)100%で紡績し、再生した『RECYCLE COTTON 100』を使用しています。比較的毛足が長い落ちわたを使用することで実現した、他にはない落ちわた100%の甘撚りな風合いと、日本の染色工場で『スペック染』と言う一種のムラ染め技法で1カセづつ手作業で染めあげた、ナチュラルな味わいある色合い、使い込んだヴィンテージ調の雰囲気が特徴の純日本製素材です。
※手作業で染めるスペックダイの特性上、ロットの違いでムラ感や色合いが多少異なる場合があります。商品の個性としてお楽しみください。


【スペックダイとは】
染料の粒を手作業で作り、その粒を繊維の表面に付着させて染める手法です。 繊維にマダラをつくり、ヴィンテージ調のムラのある色に仕上がります。 ひとの手がつくった粒は機械のような正確さはなく、職人の技なくしては生み出すことはできない独特な色のグラデーションが魅力です。


 ソックス|Re Loop リサイクルコットン リブハイクルー【日本製】





その他にも柄物タイプや、和紙が編み込まれたもの、レギンスタイプなど、様々なくつ下が揃います!


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くつ下づくり体験『チャリックス』

SOUKIさんの工場の直営ショップではくつ下を作るワークショップ『チャリックス』が体験できます。
チャリックスはくつ下の町である奈良県広陵町で100年近くくつ下工場を営んでいるSOUKIさん が開発したワークショップマシーン!
工場で使われていたくつ下の編機と自転車を融合させた『チャリックス』 は、自転車を漕ぐことで編機が稼働してソックスが編まれます。
糸の色を自分で選んで組み合わせ、7分ほど自転車を漕ぐと1足分のソックスが編みあがります。
スタッフさんがその場でつま先の縫製やプレス仕上げを施し、一連のくつ下の製造工程を体験できるというものです。
自分で作ったオリジナルカラーのソックスは愛着もひとしおですよ♪


S.Labo / 株式会社創喜
https://slabo.souki-knit.jp/
〒635-0824 奈良県北葛城郡広陵町疋相6-5
OPEN 10:00-17:00
※年末年始など祝祭日は営業時間が異なる場合があります。詳しくはお問い合わせ、もしくはSNSをご確認ください。
※チャリックス体験は要予約。


\チャリックス体験の様子はインスタグラムをチェック/

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